素晴らしきワインへの旅 - Voyage au vin merveilleux

素晴らしいワインとの出会いは、私たちの人生のなかでひとつの宝とも思える至福の時間を約束します。 このブログは、これらのワインの探求と出会いの記録です。

ふたつのOrthographe(オルトグラフ、綴り)エシェゾー(Echezeaux)

ワイン専門平野弥で根強いファンをもつマルサネ・レ・シェゾー赤(Marsannay Rouge Les Echezots)ドメーヌ・ジャン・フルニエ(Domaine Jean Fournier)
 現在、プルミエ・クリュへの昇格を申請中のこの畑、ワインは、シャンボール・ミュジニーと思わせる繊細さを持つワイン。
ところで、このマルサネのエシェゾーは、2012年から綴りが"Es Chezots"に変わるらしい。

 実は、ブルゴーニュの畑の名にエシェゾー(Echezeaux)は、ふたつ存在する。ひとつは、フラジェ・エシェゾー(Flagey Echezeaux )村のグラン・クリュであるエシェゾー。もうひとつは、マルサネ・ラ・コート(Marsannay-la-Côte)村にあるエシェゾー。

 綴りはふたつとも同じ"Echezeaux"で、もともとラテン語の "casa" (maison、家)に由来し「人里離れた集落」を意味した。歴史的にそのような集落が存在してこのリュー・ディー(Lieu-dit、畑の呼び名)が人々によってつけられたのだが、フラジェ・エシェゾー村の一部の生産者がマルサネ村の生産者にこの歴史的な名前を変えろと馬鹿げた要求突きつけたらしい。

 その結果、マルサネ村のエシェゾーは、
"les Echezeaux" 現在の正しい綴り
→"Les Echezots" ナポレオンの時代の綴り字(現在のマルサネ・レ・シェゾーに使われている)
→"Es Chezots"17世紀の土地の台帳の綴り字(2012年から)
と変更されてしまう。

 しかし、ワインは名前ではなくその香りや味わいを楽しむもの。
このことを真に理解している人々こそが本物のワインファンだ!
いくら畑の名が時代を下ったとしても、マルサネの生産者たちの将来への発展は押しとどめることはできない!!