【2】ワインの味覚の図的=立体的イメージ
ここでは、ワインの味覚を立体的にイメージしてみたいと思います。
(1)ワインを口に含むと、酸味、甘味、渋味の味覚が明確に区別して知覚することができます。これらのワインの味覚の主要な三要素、酸味、甘味、渋味は、それぞれ、相互に対立する関係にあります。
(2)比較的ワインワインですと酸味、甘味、渋味の要素が明確に対立して区別して感じられますが、熟成するに従い、それぞれの要素は相互浸透し、最後には、一体化します。これを図でイメージしたものが次ぎの図です。
(3)ワインの味わいの三要素をボールとしてイメージしてください。そして、それぞれのボールがタライの液体に浮いているとイメージしてください。
味覚の表現におけるミネラルを酸味、甘味、渋味を除く、複雑さ、ニュアンスと解釈するとミネラル*1は、図3の液体にあたります。
(4)では、カリフォルニアワインやチリワインのどのようにあまりミネラルを感じないワインの場合は、どのようになるでしょうか?
カリフォルニアワインやチリワインは、フランスワインに比べ、ミネラルが少なく甘さ(=果実味)が豊富です。
このことをこの図3を使って解釈してみましょう。まず、ミネラルの部分をなくすと全体のバランスが崩れます。そこで、この液体の部分を甘味で補完してあげるとバランスをとることができます。
(補足)この円形をワイン味覚における器を表現することができます。酸味、甘味、渋味、ミネラルの質が同等なワインでも、それぞれの要素のボリュームが異なる場合に、器の大きさが違います。
*1:ミネラルの厳密な定義はこちらを参照願います。http://d.hatena.ne.jp/hirano_m/20100521